2020年9月時点で月間6,500万人以上が利用するYouTubeは、今やユーザーが能動的に情報収集を行う巨大なプラットフォームです。実際に、YouTubeで発見した商品を40%のユーザーが購入したというデータもあり、広告主にとって非常に有効な広告媒体となっています。
中でも特筆すべきは、YouTube広告独自の「リターゲティング配信」です。従来のリターゲティングがウェブサイト訪問者のみを対象としていたのに対し、YouTubeでは「特定の動画を視聴した」「チャンネルに高評価を付けた」といった、よりエンゲージメントの高いユーザー行動に基づいて広告を配信することが可能です。
この記事では、動画広告は費用対効果が合わないと敬遠していた方や、より成果を伸ばしたいWeb担当者様に向けて、YouTubeリターゲティングの具体的な手法から、検索広告やディスプレイ広告と連携させた高度な活用法、そしてLP訪問者を超える獲得率を達成したtoB商材の成功事例まで、詳しく解説します。
この記事を読ばばわかること
-
1. なぜ今、YouTube広告が重要なのか?(市場背景)
- 日本の月間利用者数は6,500万人を超え、情報収集のプラットフォームとして機能しているという市場の大きさ。
- ユーザーの40%がYouTubeで発見した商品を購入しているという、具体的な購買行動データ。
- 従来のテレビCM広告とは異なり、配信数、視聴率、クリック数といった詳細なデータを可視化・分析でき、費用対効果の検証が容易であること。
-
2. YouTubeリターゲティングの具体的なリスト作成方法
-
サイトへの訪問歴がないユーザーに対しても、YouTube上での行動履歴を基に広告を配信できるのが最大の特徴です。具体的には、Google広告のアカウントとYouTubeチャンネルを連携させることで、以下のようなユーザーリストを作成し、ターゲティングに活用できます。
-
【分類①】 オーガニック動画視聴ユーザー
- 自然検索や関連動画など、広告経由ではなく自社チャンネルの動画を視聴したユーザーをターゲットにします。
- リスト作成例:
- チャンネル内のいずれかの動画を視聴したユーザー
- チャンネル内の特定の動画(複数選択可)を視聴したユーザー
-
【分類②】 広告動画視聴ユーザー
- TrueView広告など、広告として配信された動画を視聴したユーザーをターゲットにします。
- リスト作成例:
- チャンネル内のいずれかの動画を広告として視聴したユーザー
- 特定の動画を広告として視聴したユーザー
-
【分類③】 登録・アクセスユーザー
- 動画視聴には至らなくとも、チャンネル自体に興味を示したユーザーをターゲットにします。
- リスト作成例:
- チャンネル登録をしたユーザー
- チャンネルのホームページにアクセスしたユーザー
-
【分類④】 アクションユーザー
- 動画コンテンツに対して、より積極的な行動(エンゲージメント)を示した熱量の高いユーザーをターゲットにします。
- リスト作成例:
- チャンネル内の動画を**「高く評価(いいね)」**したユーザー
- チャンネル内の動画を再生リストに追加したユーザー
- チャンネル内の動画を**「共有」**したユーザー
-
-
3. YouTubeリターゲティングを最大限に活用するメリット
- 詳細なターゲティング設定: 上記のように「動画に対して高評価しているか」といった非常に細かい条件でリストを作成できるため、興味関心度が極めて高い見込み顧客に絞った効率的な広告配信が可能です。
- 他広告へのリスト活用: YouTube広告で作成したこれらのユーザーリストは、検索広告やディスプレイ広告の配信にも活用できます。例えば、「特定の動画を視聴したユーザーに対して、ディスプレイ広告で別角度からアプローチする」といった媒体を横断した戦略が実現します。
- 効率的な集客: YouTube広告は配信方法によっては予算をかけずに視聴回数を稼ぐことも可能です。この特性と他のWeb広告を組み合わせることで、効率よく集客できるようになります。
-
4. 実際の成功事例から学ぶ、リターゲティングの効果
- toB商材の事例: あるtoB商材の案件で、LP(ランディングページ)訪問者向けのリターゲティング配信と比較した結果、YouTubeの動画視聴ユーザー向けのリターゲティング配信の方が、サービスの獲得率(コンバージョン率)が高くなったという具体的な実績があります。
- 成功の要因分析: テキスト中心のLP訪問者よりも、動画を視聴したユーザーの方がサービスの特徴やメリットを深く理解しているため、より確度の高い見込み顧客になりやすいと考えられます。特に、音声情報も伴う動画は、ユーザーのサービス理解度を格段に高める効果が期待できます。
【成功事例】toB商材におけるYouTubeリターゲティングの費用対効果分析
ご提供いただいたソースの具体的な数値データを基に、toB商材におけるYouTubeリターゲティングがいかに優れた成果を上げているかを詳細に分析します。
結論から言うと、YouTube動画視聴ユーザーへのリターゲティングは、LP(ランディングページ)訪問者へのリターゲティングよりも圧倒的に高い費用対効果を実現しています。
一般的な基準値 (BtoB)クリック率 (CTR)0.4%〜0.9%クリック単価 (CPC)¥80〜¥400CVR0.5%〜3%獲得単価 (CPA)¥15,000〜¥80,000一般的な基準値は、ソース外の情報であり、商材やターゲットによって大きく変動するため、あくまで参考値としてご覧ください。
パフォーマンス比較表(ディスプレイ広告)No.オーディエンスクリック率クリック単価コスト割合獲得割合獲得率 (CVR)獲得単価 (CPA)1YouTube視聴ユーザー1.16%¥297.80%21.10%0.14%¥20,9942LP訪問者リターゲティング1.38%¥363.79%3.67%0.06%¥58,6803その他1.05%¥1988.41%75.23%0.03%¥66,724合計1.06%¥20--0.03%¥56,779【深掘り分析】なぜYouTube視聴ユーザーが優れていたのか?
この数値を基に、各指標を比較しながら成功要因を深掘りします。
1. 獲得単価 (CPA) の圧倒的な差
- YouTube視聴ユーザーのCPAは¥20,994であったのに対し、LP訪問者は¥58,680でした。
- これは、LP訪問者よりも約2.8倍も効率的にコンバージョンを獲得できたことを意味します。
- 一般的に、LPまで訪れたユーザーは関心度が高いと考えられがちですが、この結果は、動画を視聴したユーザーの方が、より購入や問い合わせに近い「質の高い」見込み顧客であることを強く示唆しています。
2. 驚異的な獲得率 (CVR) の高さ
- YouTube視聴ユーザーの獲得率(CVR)は0.14%と、LP訪問者の0.06%の2倍以上の数値を記録しています。
- これは、動画コンテンツを通じてサービスの特徴やメリットを深く理解しているため、広告に接触した際にコンバージョンに至りやすい状態にあったと考えられます。特に、音声が入る動画は耳からの情報も加わるため、ユーザーの確度を高める効果が期待できます。
3. 費用対効果の高さ
- コスト割合に注目すると、YouTube視聴ユーザーへの配信は全体の**7.80%の予算しか使っていませんが、獲得割合では全体の21.10%**を占めています。
- 一方で、LP訪問者は3.79%のコストで3.67%の獲得と、投下した予算に見合った成果しか得られていません。
- このデータから、YouTube視聴ユーザーへのリターゲティングは、少ない予算で大きな成果を生み出す、極めて費用対効果の高い施策であることがわかります。
4. クリックの「質」の違い
- **クリック率(CTR)**はLP訪問者(1.38%)の方が若干高いものの、**クリック単価(CPC)**もLP訪問者の方が¥36と高くなっています。
- YouTube視聴ユーザーはクリック率では劣りますが、その後の獲得率が非常に高いため、クリックの「質」が非常に高いと言えます。これは、無駄なクリックが少なく、コンバージョンに繋がるクリックを効率的に生み出せている証拠です。
結論:YouTubeリターゲティングの戦略的重要性
この事例は、「動画広告は認知向け」という一般的なイメージを覆すものです。YouTubeで動画を視聴したり、チャンネル登録したり、高評価したりといった行動履歴から作成したユーザーリストは、サイト未訪問者にもアプローチできるだけでなく、非常に質の高い見込み顧客リストとなり得ます。
さらに、このリストはディスプレイ広告や検索広告にも活用できるため、YouTube広告と他の広告手法を組み合わせることで、より効率的な集客が可能になります。


コメントを投稿